サイン入りプリント付き

プリントサイズ:127 × 178 mm
プリント種類:ラムダ・プリント
イメージ4種、それぞれ5枚限定

 

伝説の写真誌『ASPHALT』を主催し、近年は定期的に写真集を発表するなど国内外で活躍する藤原敦。2019年刊行の『2200 Miles』(蒼穹社)以来5年ぶり、自身6冊目にして初のカラー写真集を禅フォトギャラリーより刊行する。茨城県南西部を流れる桜川を題材にした本作は、蒼穹社代表の大田通貴が編集を担当、跋文では写真評論家のタカザワケンジが穏やかに流れる川を背景に展開される能『櫻川』との所縁を解説する。

2020年コロナ禍の夏、北関東のとあるホテルに住み込むことになった。
そのホテルの横には櫻川という川が流れていた。

未だ見もせぬ常陸の国に名も櫻川ありと聞きて
― 紀貫之 能謡曲『櫻川』より

― 藤原敦

「コロナ禍に世界中が直面していたあの頃。たまたま桜川の近くに長期滞在することになった藤原は、直感のままに川の撮影を始めた。ある時、藤原はこの地が能の『桜川』の舞台であることを知る。『蝉丸』ですでに能の世界に自作との通路を見いだしていた藤原は、その偶然を糸口に作品の全体像を構想していく。能の『桜川』の物語が、カメラを手にした藤原の視線に影響していったのは間違いないだろう。(中略)
聖なるものと俗なるものとが入り交じるこの世界は、桜が散るようにつねならぬものである。だからこそ写真に留める価値がある。『櫻川』が能の世界と通じるのは、そうした作者の無常観である。」
― タカザワケンジ『現実と虚構を行き来する川のほとりで』より抜粋

-判型
200 × 200 mm
-頁数
120頁、掲載作品: 110点
-製本
ハードカバー
-発行年
2024
-言語
英語、日本語
-エディション
5
-ISBN
978-4-910244-33-4

Artist Profile

藤原敦

1963年、滋賀県生まれ。2008年から2012年まで、写真編集者長谷川明編集による写真誌『ASPHALT(アスファルト)』主催し、Vol.1から10まで刊行。2013年からは定期的に自身の写真集を発表し、国内外で個展を開催するなど精力的に活動している。主な写真集に『南国頌』(2013年、蒼穹舎)、『蝶の見た夢』(2014年、蒼穹舎)、『詩人の島』(2015年、蒼穹舎)、『蟬丸』(2017年、蒼穹舎)、『2200 Miles』(2019年、蒼穹舎)などがある。