Paris Photo 2026
会期:2026年11月11日 [水] —11月15日 [日]
会場:グラン・パレ、パリ(Booth A06)
禅フォトギャラリーは2026年11月11日(水)から11月15日(日)まで、フランス・パリのグラン・パレで開催されるParis Photo 2026のメイン・セクションに出展いたします。昨年、「Love of Shadows——二人の女性の物語」展でパリフォトに初出展した禅フォトギャラリーは、今年は二度目の参加を迎えます。今回は、東アジアにおける記憶、歴史、アイデンティティ、そして自身の体験と真摯に向き合い続けてきた6名の写真家による、より幅広い展示を披露いたします。「Photography as Witness(写真による証言)」と題された本展では、社会や政治の激動の渦中、文化変容の節目、親密な人間関係の機微、そして日常の一コマに、写真家たちがいかに立ち会い、写真を通して証言してきたかを考察します。
渡辺眸の《東大1968–1969——封鎖の内側》は、バリケード内部からの撮影を唯一許された写真家として、東京大学で繰り広げられた学生運動を記録した作品です。それから20年後、黃勤帶(ウォン・カンタイ)の《'89 Tiananmen》は、1989年中国・北京の天安門広場で行われた抗議運動とその後の余波を捉えています。
歴史の記録から文化的記憶へと視点を移します。橋本照嵩の《瞽女》は、盲目の女性旅芸人たちが三味線を手に唄い、語りながら日本の辺鄙な村々を渡り歩いたという、いまや失われゆく伝統の姿を写し取った作品です。西村多美子の《憧景》《旅人》《続》は、1970年代以降の日本各地における儚い邂逅と移りゆく風景を、一貫した眼差しで見つめ続けています。
より個人的・親密な「証言」へと目を向けます。殿村任香の《ゼィコードゥーミーユカリ》《orange elephant》《母恋 ハハ・ラブ》はホステスとして東京の歓楽街・歌舞伎町で生きた日々、他者との真実の愛の探求、そして母とともに行った家父長制への抗議から生まれた、母性と女性性を見つめた作品群です。梁丞佑(ヤン・スンウー)は《新宿迷子》では歌舞伎町の人々とそのサブカルチャーに迫る一方、《青春吉日》では、日本と韓国を行き来する自身の人生の中で出会った友情、喪失、そしてアンダーグラウンドな世界を辿ります。
今回ご紹介する六人の写真家の作品は、写真というメディアが歴史や文化の移ろい、そして個々人の生活に潜む生々しくむき出しの現実を証言する力を持つことを示しています。「Photography as Witness」は、アジア写真における独自の表現者たちを紹介するとともに、個人の思い出と集合記憶を写真というメディアがいかに残しうるか、その可能性を探る試みであり、禅フォトギャラリーが継続的に取り組んできた姿勢の表れでもあります。