2011年2月雪の日、荒川に沿って歩く。
しばらくすると、ある一帯に小屋が点在していた。
それは一つの集落を形成しているかのようだ。
雪が吹雪くのと相まって、幻想的な光景に魅了される。
小屋に住む人々はどんな人達だろう。
最初はそういう興味本位だった。
再び訪れて今度は実際に話しかけてみる。
みんな気の優しい人達ばかりで私を温かく迎えてくれた。
彼らはとても感性豊かで人間味に溢れていた。
私は彼らやこの土地の事など、もっと知りたくなった。
それから荒川に通っては彼らと語り合い、時には酒を酌み交わした。
取り巻く環境も少しずつ変わってきた。
近い将来この場所もなくなってしまうかもしれない。
それでも目の前の1日を大切に生きようとする有り様はとても格好良い。
この作品は日々の流れに身を任せながらも懸命に生きる人々の記録。
これからも彼らの行く末を見届けていきたい。

— 作者あとがきより

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