アルル国際写真フェスティバル2024「Historical Book Award」受賞

1957年香港生まれの黃勤帶は、プロの報道写真家として働いていた1989年4月、北京で行われていたスポーツコンテストを取材した際、中国史上最大規模の民主化運動を引き起こした北京の学生たちの姿を目にした。その後香港に短期間戻ったが、学生たちがハンガーストライキを開始したと聞いてすぐに北京入りし、六四天安門事件に至るまでそこに留まり学生の姿をカメラにとらえ続けた。

本書は1989年4月から6月4日の間に撮影された写真と、1998年の冬から1999年の春にかけて撮影された6点が収録されている。

「ライトボックスの白い光を通して、1989年に北京の天安門広場で行われた学生民主運動中に撮影された一連の白黒フィルムのファイルを再確認し、そこに写っている長安街に取り残された青春を探す。
青春が遺した引き取り手のないものを前に、彼らの今を想像せずにはいられない。
結局のところ、それは中国の地に現れた最も美しい人類の煌めきだったのだ。」
― 黃勤帶(本書あとがきより)

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-判型
293 × 225 mm
-頁数
232頁、掲載作品:108点
-製本
ソフトカバー
-発行年
2024
-言語
英語、日本語
-ISBN
978-4-910244-32-7

Artist Profile

黃勤帶

1957年に香港のランタオ島で生まれた黃勤帶は、1970年代後半に香港新聞社に入社後、フォトジャーナリストとしてキャリアを歩み始めた。1980年代半ばに東京工芸大学で学び、写真への情熱を追求した。

2000年代後半、黃は趙嘉榮、岑允逸、楊徳銘、余偉建という4人のフォトジャーナリストとともに共同で同人誌『麻雀』を創刊した。『麻雀』は中国、日本、香港を網羅するテーマを掘り下げた刊行物である。

黃勤帶の写真集には『’89広場の日々』、『香港地 2002–2007』、『Vajrayana』、『皇后旅館』、『Fukushima』、『Xinjiang 1980』、『Bardo Hong Kong 2019』、『Diana Hong Kong 2014』などがあり、高く評価されている。彼の作品はサンフランシスコ近代美術館や香港文化博物館などの機関に収蔵されている。現在、黃は香港と日本の両方に住んでおり、レンズを通して世界をとらえ続けている。

2024年に、『’89 Tiananmen』(禅フォトギャラリー、2024年)アルル国際写真祭2024のブックアワードにて歴史書部門の大賞を受賞いたしました。