香港はアヘン戦争中の1841年にイギリスによる156年に渡る植民地統治が始まり、1997年に中国に返還された。そのころの香港は小さな漁港からアジアの金融の中心地へ大きく変わっていった。

写真家兼ドキュメンタリー映画監督の朱迅(バーディ・チュウ)は、自分の故郷である香港の重要な一年を視覚的に記録するためにカナダから戻り、1997年が始まった最初の一時間から返還の前後を含めて一年を通じてさまざまな歴史的瞬間を撮影した。

「返還後四半世紀を経て香港は急速に変化していった。2022年は返還から25周年にあたり、つまり香港の高度な自治が50年間維持されることを約束した「一国二制度」が期限をむかえる2047年までの中間点になる。したがって今は25年前の1997年の香港を振り返り、懐かしい思い出や世界史上のユニークな変遷を確認するのに相応しいタイミングだ。」― 朱迅

『香港1997』は香港の景観や社会の発展、そして人々の気持ちの変化を目の当たりにした作品である。

Artist Profile

朱迅

朱迅(バーディ・チュウ)はアーティスト、写真家、ドキュメンタリー映画監督。香港理工大学デザイン学科を卒業後、カナダで映画・ビデオ制作と高度写真技術を学び、フォトジャーナリスト、映像ディレクター、講師とキュレーターとして活躍した。その後、美術管理学修士号を取得し、写真とアートの教育を推進する芸術団体「影画家」を設立した。

バーディの写真と短編映画は様々な都市で展示・上映されている。2009年の香港現代アートビエンナーレ賞、2012年のナショナルジオグラフィックフォトコンテスト、2013年のアジア現代アート賞、2015年の香港人権アート賞に選ばれ、そして2016年の香港モバイルフィルムフェスティバルでは最も人気のあるモバイルフィルム賞に選出された。

映像を通して社会に目を向け、変化し続ける都市の証言や記憶を残すことは、バーディの人生哲学でもある。