フランス・マルセイユ出身の写真家Makiによる日本を舞台にした新刊写真集『いづく』は、彼が2001年から2015年にかけて日本中を旅し、現代日本が持つ矛盾を孕んだその側面を記録した作品集。

― 出版社より

Makiと日本の関係は根深く、その日本観の適切な比較対象はオランダ人の写真家であり映画監督であるエド・ファン・デア・エルスケンの私的かつ自伝的な作品があげられる。彼と同じように、Makiは写真を日本の文化の内外の両方で経験する出会いの連なりとして捉え、取り組ん
でいる。(...)『いづく』は比喩的に、また文字通り日本の裏路地への旅だ。大きく異なる写真たちは並べられ、都会と田舎、友人と他人、近代と伝統、自と他といったように対比されることで、Makiの鋭い写真家としての目を通して統一されている。

― ラセット・レダーマン「いづくへの旅」より

私の写真と編集の仕方は、 私が同調出来ないこの世の中で、自分の居場所を示す方法である。写真は、撮られた日付や場所に紐づけて分けておらず、そこに共通するのは寓意的で隠喩的な日本像であり、その延長としての世界像だ。それは私の経験や、この国の文化や人々との関係の断片であり、出会う人々や場所を写真として残そうとする私の抑えられない衝動と組み合わさって初めて生まれる。現代社会の悪を認識しながらも、日常の中で光るものを探しているうちに、それらの出会いは気づかないうちに私の中に浸透していくのである。

― Maki「いづく」より

判型
280 x 195 mm
頁数
144頁、掲載作品96点
製本
ソフトカバー
発行年
2018
言語
英語、日本語
エディション
500

Artist Profile

マキ

フランス人の写真家でありパブリッシャー。1964年マルセイユ生まれ。
80年代初頭、写真学校卒業。
1986年に自身初の個展をマルセイユで開き、その後ヨーロッパや日本でも作品が展示される。2001年から日本への旅を始める。
2007年ヨーロッパの写真家のグループ“SMOKE”を結成。その後5年間活動を続ける。2010年Media Immediatを設立。尾仲浩二、モーテン・アンダーセン、エド・テンプルトン、市場大介等、様々な国の写真家を集めた11冊の写真集のコレクションを出版。