2019年3月に惜しまれつつ逝った須田一政。1979年、代表作の一つである『わが東京100』が出版されたその年、須田は生まれ育った神田とその周辺地域を35ミリフィルムで撮影し始め、写真評論家の田中雅夫によるテキストとともに1982年から翌年にかけてアサヒカメラに「現代東京図絵」として発表した。そして約40年の時を経た今、須田の同作が初めて写真集として蘇ったのが本作である。

「現代 ー とついてはいるが現在ではない。1980年前後の東京である。(中略) あれから十年一昔を軽く超えた。傍らで笑っていた田中氏は鬼籍に入り、変わった風景、変わらない風景、2018年の現代東京図絵は今そこにある。その姿を目前にしながらも尚、折に触れ『私の東京』は36年前の現代に引き戻される。イメージの中の東京は多くの時を混淆し、流れる時間とは無関係な世界に留まっているようだ」― 2018年9月 須田一政

-判型
200 × 200 mm
-頁数
132頁、掲載作品:107点
-製本
ハードカバー
-発行年
2020
-言語
英語、日本語
-エディション
700
-ISBN
978-4-905453-92-5

Artist Profile

須田一政

1940年東京生まれ。1967年から1970年まで寺山修司が主催した劇団天井桟敷の専属カメラマンとして活躍した。1997年に写真集「人間の記憶」で第16回土門拳賞を受賞した。主な著作は「風姿花伝」、「わが東京100」、「人間の記憶」、「民謡山河」など。