星玄人による『口笛』以来のカラー写真集。2014年以降に撮影した作品を中心に、作家が自らセレクトし、編集した貴重な一冊である。カメラを手に新宿を主に、時々渋谷や六本木、銀座などへ通いながら、星は東京の様々な顔を焼き付けた。写真の中に写っているこの街は夜の巨大な舞台だ。そこに登場する人々の物語は、歓声と懐かしさの裏に潜む路地裏の暗がりへと溶け込み、見る者を本書のタイトル「Trippy」のような現実と幻の間にある曖昧な境界線に引き込む。

「きらびやかだが闇も深い夜の街角はネオンの光の如く、行き交う人達が常に点灯を繰り返している。もしこのまま、何事も無く、ある程度の自由を保証される時間が続くのであれば、何時までも曖昧な距離で、無責任に東京の夜を惑っていたい。」

― 星玄人(本書あとがきより)

- 判型
290 × 225 mm
- 頁数
144頁、掲載作品99点
- 製本
ソフトカバー
- 発行年
2025
- 言語
英語、日本語
- エディション
1000
- ISBN
978-4-910244-48-8

Artist Profile

星玄人

1970年、神奈川県生まれ。1990年代後半の写真を始めた当初から一貫して繁華街の路地など、ストリート・フォトを中心に発表している。現在は六本木、横浜、大阪の西成などで主に撮影を行なっている。2017年にLittle Big Manより刊行した写真集『口笛』にて2018年に写真の会賞受賞。2023年には東京都写真美術館で開催された「日本の新進作家 Vol.20 見るまえに跳べ」に選出され、それまでの活動を振り返る形で新作を含む全てのシリーズを展示した。写真集に『街の火』(2007年、ガレリアQ)、『口笛』(2017年、Little Big Man)、『新宿 1999-2008』(2024年、禅フォトギャラリー)がある。清里フォトアートミュージアム、東京都写真美術館に作品が収蔵されている。