神戸出身で森山大道に師事し、現在はフリーランスの写真家として活動する福本美樹が、2010年ごろから10年以上の年月をかけて日本各地の漁港と海に生きる人々を撮影し、まとめた写真集。

「2010年にパリの写真集『à paris』を刊行したのち、日本を撮ろうと決めました。先達方がすでに色々な日本を撮られているので、どうすれば自分なりの日本を撮れるのだろう?と模索しはじめました。海好きということから、海岸、港湾、漁港と巡りましたが、漁港を撮った際に心にしっくりくる独特の空気を感じていました。これは日本独自のものではないかと思い、各地の漁港と漁師さんを撮り巡りました。

ある日、撮り溜めた写真にタイトルをつけることになり、悶々と考えている時に、「わだつみ」という言葉が降りてきました。しばらくして、山形のあつみ温泉の漁港を訪れ、ふと「綿津見(わだつみ)」と名前のつけられた漁船を見つけることになります。偶然にも、私が宿泊していたお宿のご主人で漁師をされている粕谷さんのお船でした。色々と話を伺うことになり、「わだつみ」は古代日本を代表する海人「安曇族」の神様だと教えていただきました。その後も私は「海神(わだつみ)」に導かれるように、旅先で素晴らしい人々と光景に出会い撮影することができました。」
ー福本美樹(本書あとがきより)

-判型
248 × 172 mm
-頁数
96頁、掲載作品:52点
-製本
ソフトカバー
-発行年
2025
-言語
英語、日本語
-エディション
700
-ISBN
978-4-910244-45-7

Artist Profile

福本美樹

1966年、神戸生まれ。大阪ビジュアルアーツ専門学校写真学科卒業。森山大道氏に師事しながら、フリーランス・フォトグラファーとして活動する。1999年、天王寺MIO写真奨励賞受賞。2010年、パリのストリートスナップ写真集『à paris』を蒼穹舎より刊行。2010年より、日本独自の空気を感じる各地の漁港と海に生きる人々の撮影を続けている。2019年、韓国仁川国際海洋メディアフェスティバル参加。

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