スポーツという近代的概念が生まれる以前の世界各地で伝統的に行われている格闘的な祭事を、その只中に身を投じながら撮影し、人間の「生」についての本質的な問いに対して写真で肉薄する作品を発表している写真家、甲斐啓二郎。日本の裸祭を取材した前作『綺羅の晴れ着』に続く本作『一条の鉄』は、1200年の歴史があると言われている愛知県西尾市の鳥羽神明社で行われる「鳥羽の火祭り」を、2018年から2023年の間に撮影した作品がおさめられている。

「年をとることも、苔むすこともない火は、常に古く新しく不変だ。1200年もの間、同じ火が一年に一度現れ、この町を照らし暴れていく。先人から受け継いだ古いのぼり旗の衣装で身を包み、1200年前と同じ火を浴びながら、彼らは無意識にも過去と接続する。ここには見えない時間が混沌と連なり、本質的な人間の生きることへの渇望、どう生き、どう生きてきたかの人間の歴史と、どう生きていくかの人間の未来が渦巻いている。」
― 甲斐啓二郎

― 出版社説明文より

-判型
308 × 259 mm
-頁数
52頁、掲載作品: 37点
-製本
ソフトカバー
-発行年
2025
-言語
英語、日本語
-エディション
800
-ISBN
978-4-910244-43-3

Artist Profile

甲斐啓二郎

1974年、福岡県生まれ。1997年、日本大学理工学部海洋建築工学科卒業。2002年、東京綜合写真専門学校卒業。現在、同校非常勤講師。スポーツという近代的概念が生まれる以前の世界各地で伝統的に行われている格闘的な祭事を、そのただ中に身を投じながら撮影し、人間の「生」についての本質的な問いに対して写真で肉薄する作品を発表している。Daegu Photo Biennale(2016年、韓国)、Taipei Photo(2018年、台湾)、Noorderliht International Photography(2019年、オランダ)、T3 Photo Festival Tokyo(2024年、東京)などのグループ展に参加。2025年のKyotographie京都国際写真祭では個展「骨の髄」を開催予定。22016年に写真展「手負いの熊」「骨の髄」にて第28回写真の会賞、2020年に写真集『骨の髄』にて第20回さがみはら写真賞、2021年に同写真展にて第45回伊奈信男賞を受賞。写真集に『Shrove Tuesday』(2013年、Totem Pole Photo Gallery)、『手負いの熊』(2016年、Totem Pole Photo Gallery)、『骨の髄』(2020年、新宿書房)、『綺羅の晴れ着』(2023年、禅フォトギャラリー)、共著に『<聖なるもの>を撮る-宗教学者と写真家による共創と対話』(2023年、山川出版社)がある。

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