サイン入りプリント付き

プリントサイズ:255 × 203 mm
プリント種類:アーカイバル・ピグメント・プリント
イメージ3種、それぞれ10枚限定

 

1996年に韓国から日本に初来日、東京に来て初めて写真というものにふれながらも2017年には土門拳賞という権威ある写真賞を受賞し、気鋭の写真家として活躍する梁丞佑。故郷の韓国においても定期的に写真展を開催し、若者のファンから特に熱い支持を得ている。展覧会に足を運んでくれる韓国の若者たちが日々感じている閉塞感や生きづらさに少なからず触れたことで、初期の代表作「青春吉日」以降、梁がこれまで腰を据えて撮影することがなかった韓国で彼らを撮影してみたいと思い立ち、始まったのがこの「辛朝鮮」プロジェクトである。

モデル希望の韓国在住の若者を募集し、コンタクトのあった応募者の希望の撮影地に梁が赴き、彼らのポートレートを撮影するという手間のかかる手法で、のべ50人以上を撮影した。2024年9月、禅フォトギャラリーから写真集として刊行される本作には、被写体となった若者たちがそれぞれに書き下ろした彼らが「今思うこと」と、梁丞佑によるあとがきも英語と韓国語で収録されている。

― 出版社説明文より

いろんな若者に会えた。
みんな一生懸命生きていた。
10年後にまた会う約束をしたところ「梁さんにまた写真を撮ってもらえるなら、これからの10年をなんとか頑張って生きてみます」と答えた若者がいた。私は驚いて5年後にもう一度撮ることにした。

ここに写っている子達は私と5年後にまた会う約束をしたので大丈夫と信じているが、ここに写っていない今迷ったり悩んでたりしている若者へ。
辛いことがないなんてことは全くないが、人と比べず、自分を信じる。
目に見えないものを信じられる力を養ってほしい。
そうじゃなきゃやってられない。
そして人生を諦めなければ、そんなあなたを誰かが応援してくれるかもしれないし、そんなあなたが必要と言ってくれるかもしれない。
そんな甘くないだろうと思うなら、自分で自分に自分が求める言葉を言えばいい。
そして根拠のない自信を持って自分を支える。
私はいつもこの根拠のない自信に助けられているのでおすすめです(笑)
説教くさくなってしまったが、少しでも何かが伝われば嬉しい。

タイトルだが、韓国で有名なものといえば…と考えた結果、アイドル、美容整形、化粧品、辛い食べ物が出てきた。
私が身近に感じるものは辛い物しか無かった。
そして「辛」という字に一本、棒を足すと「幸」せになるとはよく言うが、その一本を自分の中から見つけほしい。
私としてはそういう思いもある。
なので「辛朝鮮」。
辛を「からい」と読むか「つらい」と読むか、シンと言う響きから「NEW」と考えるか、なんでもいい。
見る方にお任せします。
韓国には「小さい唐辛子が辛い」、日本には「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という諺がある。

― 梁丞佑

-判型
280 × 224 mm
-頁数
144頁、掲載作品: 153点
-製本
ソフトカバー
-発行年
2024
-言語
英語、韓国語
-エディション
10
-ISBN
978-4-910244-34-1

Artist Profile

梁丞佑

韓国出身。1996年に来日し、日本写真芸術専門学校と、東京工芸大学芸術学部写真学科を卒業。その後、同大学院芸術学研究科を修了し、日本を中心に活動する。2016年に禅フォトギャラリーより刊行した写真集『新宿迷子』にて、新宿・歌舞伎町の街を居場所とする人々をモノクロームスナップショットで記録し、土門拳賞を受賞。2017年には同じく禅フォトギャラリーより写真集『人』を刊行した。同年パリのinbetween galleryにて個展を開催するなど、近年は国際的にも活躍の場を広げている。その他の写真集に『君はあっちがわ 僕はこっちがわ』(2006年、新風舎)、『君はあっちがわ 僕はこっちがわ II』(2011年、禅フォトギャラリー)、『青春吉日』(2012年、禅フォトギャラリー)、『青春吉日』新装版 (2019年、禅フォトギャラリー)、『The Last Cabaret』(2020年、禅フォトギャラリー)、『ヤン太郎 バカ太郎』(2021年、禅フォトギャラリー)、『TEKIYA 的屋』(2022年、禅フォトギャラリー)、『荷物』(2023年、禅フォトギャラリー)、『辛朝鮮』(2024年、禅フォトギャラリー)などがある。