日本は鮮やかで、盛大で、空想的で、危険で、刺激的だ。あなたの知っている日本とは違うだろうか。日本は天皇の治世によって暦が制定され、2011年現在は平成の23年目である。裕仁親王の治世する昭和時代は1926-1989の65年続いた。昭和時代には、平成に欠けている全てが在り--鮮やかで、盛大で、空想的で、危険で、刺激的だった。日本に生きるものの多くは郷愁を持って昭和を振り返る。「昭和88年」は薄井一議の最新の作品であり、過去10年間の集大成でもある。昭和時代が終わらなかった仮想の世界。そこにおいて、2013年は昭和88年になっている。

Artist Profile

薄井一議

1975年東京生まれ。1998年東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。主な個展に「マカロニキリシタン」(1996年コニカミノルタプラザ)、「Showa88/昭和88年」(2011年禅フォトギャラリー、2013年写大ギャラリー)、「Showa92」(2015年禅フォトギャラリー)、「Showa88-95」(2018年KKAG)、「Showa96」(2019年禅フォトギャラリー)がある。1997年にサンマリノインターナショナルフォトミーティング、2003年に東京都写真美術館で開催された「20代写真家の挑戦 IN&OUT」展、2016年にgalleri BALDER(オスロ)で開催された「A Vision of Japan」展など国内外のグループ展にも積極的に参加している。主な出版物に『マカロニキリシタン』(2006年美術出版社)、『Showa88/昭和88年』(2011年禅フォトギャラリー)、『Showa92』(2015年禅フォトギャラリー)、『Showa96』(2019年禅フォトギャラリー)、などがある。また2015年には映画「ダライ・ラマ14世」を企画・撮影した。清里フォトミュージアム (山梨)、東京工芸大学(東京)、株式会社アマナ(東京)に作品が収蔵されている。

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