80年代後期から写真家としての活動を開始し、近年では活動初期に撮影したストリートスナップのシリーズ「路上の匂い」を2022年に蒼穹舎から写真集として刊行し話題になった山崎弘義。4作目となる今回の写真集では、山崎のホームタウンである埼玉県越谷市にある越谷レイクタウンにフォーカスをあてている。レイクタウン事業が始まる前の1997年から現在にいたるまで継続的に越谷レイクタウンを撮影し続けてきた山崎が、レイクタウンの由来となった大相模調整池とイオンモールを中心に築かれ、2008年のまちびらきから今年17年を迎えるニュータウンの変遷を写真家の視点からまとめた作品集となっている。編集は蒼穹舎の大田通貴が手がけている。

「イオンレイクタウンという巨大ショッピングモールは消費意欲を過剰に刺激してくれる。そこには週末になると大挙して遠方からもお客さんがやってくる。埼玉県内で一番観光客が多いのは越谷市だと言われる。それはいうまでもなくこのモールが引き寄せたものに他ならない。しかしイオンは便利だけど何か物足りなさを感じる。ではなぜレイクタウンを撮るのか。それはレイクタウンが持続可能なのかという問いがあるからだ。一度更地にリセットされたレイクタウンはもうすぐまちびらき20年を迎える。その後の20年後にはどのような風景が広がっているのだろうか。」
― 山崎弘義(本書あとがきより)

-判型
200 × 200 mm
-頁数
132頁、掲載作品:120点
-製本
ハードカバー
-発行年
2025
-言語
英語、日本語
-エディション
500
-ISBN
978-4-910244-41-9

Artist Profile

山崎弘義

1956年、埼玉県生まれ。1980年、慶応義塾大学文学部哲学科卒業後、市役所に入り広報課に配属され初めて一眼レフを手にする。1984年、路上を撮る山内道雄氏に衝撃を受け写真を志す。1986年、フォトセッション’86に参加し、森山大道氏に師事。1987年、東京写真専門学校報道写真科Ⅱ部卒業。2012年から2021年まで、日本写真芸術専門学校非常勤講師。2017年からギャラリーヨクト運営メンバーとなり、レイクタウンシリーズの写真展を12回開催。これまでの出版物に『DIARY—母と庭の肖像—』(2015年、大隅書店)、『CROSSROAD』(2019年、蒼穹舎)、『路上の匂い』(2022年、蒼穹舎)がある。

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