サイン入りプリント付き

プリントサイズ:127 × 178 mm
プリント種類:アーカイバル・ピグメント・プリント
イメージ2種、それぞれ10枚限定

 

2024年夏に開催されたフランスのアルル国際写真祭での展覧会で大きな話題を呼び、この度満を持して禅フォトギャラリーより写真集として刊行する「魂トリップ soul trip」は、殿村任香がソウルを旅した3ヶ月間と殿村の祖母が亡くなった1日を撮影したシリーズです。

殿村の韓国人の祖父と日本人の祖母は当時の大変な日韓の情勢の中で国籍を超えて結ばれ、亡くなるまで愛し合いました。殿村の祖母は韓国人と結婚した自分自身への責任と、祖父への愛を誓い韓国の伝統衣装の花嫁衣装を着て亡くなりました。殿村はその姿を撮影することを祖母と約束していました。

殿村は祖母のその覚悟から人を愛するということを教わったと言います。
そして、自由は重いものだという事も教わったと言います。
今なお世界で争いが絶えません。
争いは憎しみを生み、対立を生みます。
殿村の「魂トリップ soul trip」は人種や国籍というフィルターを介すことなく、人と人が純粋に愛し合うということを見る者に問いかけます。
世界が平和に満ちることは理想に過ぎないかもしれないが、その理想を追うことが芸術家の仕事だと殿村は言います。

― 出版社説明文より

導かれるように旅した”ソウル”への旅は、私の祖父と祖母の”魂”へと続く旅となりました

祖父と祖母の愛は国境を越えた愛でした
二人で敦賀の山を三つ越えてから死ぬまで愛に生きた二人でしたが、当時の情勢の中では
日本と韓国の国境の悲しみは深く、その悲しみは誰かの憎しみの声となって祖父母の愛の
中に轟き、その声は私の中にも暗く轟き続けていました

初めてソウルを旅したのは2012年
私は心臓を半分置いてきてしまったかのような、身が焦がれるような感覚になりました
ソウルに恋をしてしまったのです

その旅は、不思議な偶然に満ちていて、友人にも恵まれ、彼らの存在に私の悲しみは解か
れていき、暗く轟き敬遠していたはずの韓国の存在は美しく煌めいていきました

日本人だった祖母は約束した韓服の花嫁衣装を着て韓国人として死にました

愛は自由です
そして、自由は重いものです

祖母のその意志は人を愛するということの意味を教えてくれました

命は偶然ではなく必然であり、命の源は愛です
祖父母がただ愛し合っただけのように
ただ、愛そう

国境の悲しみも、憎しみの声も、ただ愛そう

ソウルへの恋は私の最も美しい記憶の一つとなり、祖父母の魂と共に私の命に宿っています

― 殿村任香

-判型
182 × 257 mm
-頁数
112頁、掲載作品70点
-製本
ソフトカバー
-発行年
2024
-言語
英語、日本語、韓国語
-エディション
10
-ISBN
978-4-910244-36-5

Artist Profile

殿村任香

1979年生まれ。大阪ビジュアルアーツ放送・映画学科卒業後、2002年より写真を撮り始める。2008年、自身の家族の日常を赤裸々に捉えた写真集『母恋 ハハ・ラブ』を赤々舎より出版。鮮烈なデビューを果たし、国内外で注目を集める。2013年には、新宿・歌舞伎町でホステスとして夜の街の人々と生きながら撮影した『ゼィコードゥミーユカリ』をZen Foto Galleryより出版、発表。以降、積極的に作品を発表し続け、国内のみならず海外へと活動の場を広げている。2022年には、パリのヨーロッパ写真美術館で開催されたグループ展「Love Songs」に参加。出展した『母恋 ハハ・ラブ』がヨーロッパ写真美術館のコレクションに収蔵され、同年、KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭では、10人の女性写真家によるプログラム「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」へ参加した。2024年には、フランスのアルル国際写真祭のアソシエイトプラグラムにおいて、KYOTOGRAPHIEとSIGMAが共同プロデュースしたグループ展「超越(TRANSCENDENCE)」に参加。ソウルへの旅と、韓国人の祖父と日本人の祖母の愛を通して「ただ人を愛すること」を問う作品『魂トリップ soul trip』を発表し、2025年には、パリ・フォト(Paris Photo)にて、Zen Foto Galleryより『母恋 ハハ・ラブ』および『魂トリップ soul trip』を出展した。また、2019年に自身が立ち上げた、がんと闘い向き合う女性たちのポートレートプロジェクト「SHINING WOMAN PROJECT」は多くの反響を呼び、2025年には、地球における人間の生き方と在り方を探求するクリエイティブジャーナル「ashé」を開始し、現在も精力的に活動を継続している。