3年以上もの間ホームレスをしていたことがある楠哲也は、死に近づく瞬間を何度も経験している。いくつものトラウマになるような事件を経て、なぜ生かされているのかということに興味を持ったことから、自分を認識するためにイメージの記録を始めることにした。その行為は彼にとってセルフポートレートそのものである。

2016年の秋、楠は新作の写真集『American Monuments』を売り込むためにアメリカに渡り、車を購入して西海岸を走った。走行中は助手席にカメラを設置し、開けた窓の外に向けた。そして1日の終わりに自動的に撮影された膨大なAUTO-GRAPHの中から1枚を選ぶことにより、その日の自分を認識しようとした。

トランプ氏が大統領に選ばれるまっただ中、抗えない力によって世界が変わっていくのを目の当たりにした楠は、その後衝突事故に巻き込まれ強制的に旅を終了させられたが、今後も生かされている限り興味深いその人生を観察し続けるだろう。

― 出版社説明文より

判型
183 × 256 mm
頁数
64頁、掲載作品60点
製本
Wリング綴じハードカバー
発行年
2018
言語
英語
エディション
500

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