「...小学3年生の頃に家賃滞納で団地を追い出され車中生活をした後、2年半過ごした児童養護施設から出て、再びここで家族一緒に生活をしてきました。初めは広く感じた部屋も、粗大ごみで拾ってきた食器棚や勉強机などで埋められていき、数年後には物で溢れテレビのリモコン一つ探すことにも苦労しました。そして成長するにつれていじめや引きこもり、病気や素行不良などそれぞれの背景を持つようになり、それが山本家の過去と絡み合ってこの生活や家族の関係があります。そんな山本家は人間臭くてありのままで、どういうものに魅力を感じるか、何を良しとするのかというこの家族の価値観や好みに強く共感し、ここが私の出発であり帰ってくる場所だと認識することができました。」 ― 山本雅紀

山本雅紀の待望の初写真集「我が家」は、2014年から2017年の間に自分の家族を至近距離で記録した作品。力強いイメージや微笑ましいエピソードの裏には、一度はバラバラになっていた家族に対しての山本の深い信頼と愛情、そして感謝の気持ちが秘められている。鑑賞者にとって家族や幸せとは何か、あらためて考えるきっかけとなる写真であればいいと山本は願っている。

― 出版社説明文より

判型
288 x 220 x 13 mm
頁数
144頁、作品92点
製本
ソフトカバー、コデックス
発行日
2017
言語
英語、日本語
ISBN
978-4-905453-56-7

Artist Profile

山本雅紀

1989年、兵庫県生まれ。2012年、日本写真映像専門学校卒業。2015年、新宿・大阪ニコンサロンにて開催した個展「山本家」にてニコンサロンJuna21写真展年度賞「三木淳賞奨励賞」を受賞。また翌年の2016年には「I’m home」にてThe Editor’s Photo Award ZOOMS JAPAN 2016 エディター賞を受賞。同年禪フォトギャラリーにて開催したグループ展「Three and Eight」に参加し、蛇腹式ポスター『ハラワタ/ Guts』を刊行。2017年、禅フォトギャラリーより初写真集『我が家』を刊行し、パリのMind’s Eye - Adrian Bondy Galleryにて個展を開催。同じくパリのヨーロッパ写真美術館に作品が収蔵された。また、清里フォトアートミュージアム主催のヤング・ポートフォリオでは、2017年、2021年、2022年に入選し作品が収蔵されている。2022年にはイスラエル・ヘルツリーヤにあるテオ・アート・センターにて開催された日本とイスラエルの写真家15名によるグループ展「Inside Out」に出品するなど、国際的に活動している。

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