『攝影__學』は香港の写真家・周生(Chow san)により2021年1月に創刊されたフォトジン(PHOTOZINE)です。昨年2月にZen Foto Galleryで初めてのフォトジン展を開催し、『攝影__學』の1号から12号と、そこで取り上げられた香港の写真家たちの自作のフォトジンを展示・販売いたしました。今回はその第2弾として『攝影__學』13号から完成したばかりの21号までと、作家たちの自作のフォトジンを展示・販売いたします。

周生は、香港のアーティストたちが制作したさまざまな写真作品を紹介したいと思い、『攝影__學』(写真__学)というタイトルでフォトジンを出版し始めました。周は、香港には様々な写真芸術や写真家が存在するにもかかわらず、香港の主流メディアで紹介されているのはごくわずかであることを痛感していました。アーティストが普段インスタグラムのアカウントで発表しているように、周は彼らの作品をインターネットやソーシャルメディア上で紹介するのではなく、印刷物として発表することによって、読者が自ら手に取るかどうか、そのアーティストの作品を好きかどうか、また、作品の一つの発表形態としてフォトジンを購入し所有するかどうかを問いかけることを目的とし、誰でも購入できるような価格でフォトジンを提供しようと考えました。

周がこのフォトジンを「攝影__學」と名付けたのは、実際あらゆる芸術でもそうであるように、写真作品に対する異なる視点を、誰もが持っているまま紹介するためです。「撮影」と「學」の間の空白について、哲学や美学、あるいは写真は「無学」であってもいいと周は言っています。

今回は、下記の9人のメンバーによるフォトジン「攝影__學」とそれぞれのオリジナルフォトジンの展示・販売をいたします。また、前回展示・販売したフォトジンも数量限定で販売いたします。

汪倩 Wong Sin
shott.dream
岑偉豪 Peter Sam
梁凱淩 Etienne Leung
freedomgum
莫竣名 Zeon
李志培 Joe Lee
林敬豪 Kinho Lam
陳朗熹 Chan Long Hei


Photozine Issue No.13

汪倩 Wong Sin

汪倩(Wong Sin) は香港を拠点に、ドローイング、詩、パフォーマンス、ミックスメディアなどによる作家活動をしている。彼女は自身の経験と想像力をベースに、自然の意味やシンボルを使用して人類の奥深くにある世界の謎に迫る。精神的な領域や原始的な力を通じて物事の本質を探ろうとし、科学や知識では説明が難しいものに興味を持っている。個人と直観に焦点を当て、人間には共通点があると信じている。文学と哲学が彼女にとっての平原を確立させ、そこから彼女は世界と人々のつながりについて考え始める。
2021年に詩集『Echo Valley』を自費出版した。

インスタグラム:sin.costansin

Photozine Issue No.14
shott.dream

「私にとって写真は主に純粋と汚いものに分けられるが、私の写真は間違いなく汚い。ストリートフォトを撮っているとき、自分が獲物を探して街を駆け回るネズミになったような気分になる。これは私が独自の写真の撮り方を見いだし始めた頃の作品。この汚さを楽しんでいただければ幸いです。」

インスタグラム:shott.dream

Photozine Issue No.15
岑偉豪 Peter Sam

岑偉豪(Peter Sam)はパソコン関連の仕事をしているアマチュア写真家。最初、彼は写真でストレスを発散し、自分の内なる世界を表現していた。後に写真が外界との交流やコミュニケーションに役立ち、周囲に対する観察の幅を広げることに気づいた。彼にとって写真撮影のプロセスは常に喜びの瞬間である。ストリートで撮影する過程は、得られる「結果」よりも楽しくてやりがいのあることもあるからだ。オーストリアのフィルムカメラブランドであるLomography主催のコンテスト「TEN AND ONE」のAction Photography部門にて2019年にアドレナリン中毒者賞を受賞している。

インスタグラム:dupdupdee

Photozine Issue No.16
梁凱淩 Etienne Leung(えっちゃん)

梁凱淩 (Etienne Leung、えっちゃん)は香港で生まれ育ち、イラストと水墨画を学んだ。イギリスのCentral Saint Martinsのグラフィックデザイン学科を卒業後、香港に戻り2017年から撮影監督として働いている。ストリート写真は彼女のインスピレーションの源の一部である。これは、他者のための視覚的な記憶を作成するという目的から始まるが、時間が経つにつれ自分自身を見つめ直す為の媒体にもなるからだ。
2017年に群馬県藤岡市のシロオニスタジオにアーティスト・レジデンスとして滞在し、写真とショートフィルムを制作した。この時に制作した写真は写真集『GNMA』としてまとめられ、Tokyo International Photography Awardの出版部門で銀賞を受賞した。また、ショートフィルムは、同年アムステルダムで開催されたLift-Off Film FestivalでSpecial Mention Winnerを受賞した。

インスタグラム:etindahouse

Photozine Issue No.17
freedomgum

freedomgumは、写真家兼映像作家。香港で生まれ育ち、イギリスのレディング大学で建築測量を学び卒業した。日常生活やスケートに興じる友人たちの一瞬のきらめきを記録するカジュアルな趣味として写真を始めたが、マルチな才能をもつ写真家兼映像作家としてのキャリアへ「偶然に」開花した。あらゆる場所からインスピレーションを得る彼の作品は無限であり、主題や物語を視覚的に表現したものである。日常的なものだけでなく、奇妙で超現実的なものを記録することに特に興味を持っている。さらに彼の映像作品は写真作品の新たな展開を提示し、彼のビジョンをより深く掘り下げている。

彼の情熱は出版という媒体へも及んでいる。彼のアーカイブプロジェクト「SGUM Archive」は、ファッション、美術、スケートの本、雑誌、ステッカー、その他の形式の印刷メディアの広範なコレクションに焦点を当てたもので、その若々しい精神を遊び心たっぷりに洗練された形で反映している。

インスタグラム:freedomgum

 

Photozine Issue No.18
莫竣名 Zeon

29才香港人男性
数学系卒業
撮影に携わっている
概念が好き
抽象が好き
色彩が好き
線が好き
音が好き
感じるのが好き
眠るのが好き
美女が好き
お金が好き
ゲームが好き
インスタグラムが好き

感受 記録 色 物語 創造 音 挑戦
純粋 虚無 観察 建築 倒影 宣伝 意識
情緒 サイケデリック 孤独 天気 光線 生存 温度
土地 黒白 芸術 幾何学 時間 存在 線
デザイン 死亡 美学 思い出 再考 関連 証言...
莫竣名

インスタグラム:mokzeonming

Photozine Issue No.19
李志培(Joe Lee)

李志培(Joe Lee)は香港生まれのコマーシャルフォトグラファー、アーティスト。子供の頃、小遣いがわずか30セントだった彼は人生で最初のカメラを5香港ドルで購入した。 それ以来、現在にいたるまで写真に夢中になっており、フィルム写真の特徴、特に欠点の美しさをこよなく愛している。

インスタグラム:j_o_e_l_e_e_3_2_1

Photozine Issue No.20
林敬豪 Kinho Lam

香港で生まれ育った林敬豪(Kinho Lam)は、若い頃から日本の写真に親しみ、2017年よりストリートフォトグラファーとして活動を開始。彼の作品は主にモノクロームである。

インスタグラム:foto_by_kinho

Photozine Issue No.21
陳朗熹 Chan Long Hei

陳朗熹(Chan Long Hei)は、1994年香港生まれのフリーランスの写真家。大学で社会政策を学んだ後、Initium Media、The Reporter (台湾)、European Pressphoto AgencyやBloomberg Newsなどのさまざまな国内外のメディアでフォトジャーナリストとして働き始めた。ニュース報道の分野で国内外の写真賞をいくつか受賞した後、彼は 2017年に自身の作品の出版を開始し、『Hong Kong is beautiful, isn’t it?』 (2019)、『The Unspeakable』(2020)および『After Island』(2021)などを刊行。彼は現在、社会現象のドキュメントや個人的な写真プロジェクトに専念している。

インスタグラム:clhfoto

Artist Profile

周生

1982年、香港生まれ。2010年頃より写真を撮り始める。2013年に香港国際写真祭”Dozens of photography works - 100FT.PARK's Special”に参加、翌年にはThe 2nd Hong Kong Photo Book Awardsの最終候補に選ばれる。2015年に初の個展「花期」を香港のACO Bookにて開催。2018年には写真集『旅行』を刊行し、Café+ kubrickにて個展も開催、また、同年写真集『日系相片』を刊行。翌2019年には自身の手術入院の記録を写真集『醫學研究報告2019』にまとめた。2020年にはマーク・ピアソンが手がけるDying Cityシリーズから『花期』を刊行している。