「AKB 80's」は、写真家・倉田精二が20年以上にわたり制作し続けてきたプロジェクト「都市の造景」の初期の作品をまとめたシリーズです。かつて秋葉原にあった旧神田青果市場をモチーフに、長時間露光、多重露光を使い、1986年から1989年に撮影されました。
「都市の造景」は、本シリーズ「都市の造景 I:AKB 80's」、東京および東京近郊の首都高速道路建設現場をカラーで撮影した「都市の造景 II:Metropolitain EXP way-C2」(1980-2009)、モノクロームで撮影した「都市の造景 III:Metropolitain EXP way-C2」(1998-2008)から構成されます。
本書はLittle Big ManとZen Foto Galleryによる共同刊行物です。作家によるテキストは英文のみを収録。撮影当時、タイミングや動きを測るために作家が制作した、神田市場のタイムスケジュールと鳥瞰図も掲載されています。

― Zen Foto Gallery説明文より

Artist Profile

倉田精二

1945年 東京・日本橋生まれ。1974年、東松照明が中心となって開講されたワークショップ写真学校の第1期生として写真を学ぶ。1976年、東京芸術大学絵画科卒業。1980年に「Flash Up ストリートフォトランダム東京 1975-79」にて第5回木村伊兵衛賞を受賞。以降、長年にわたり国内外で精力的に活動し、近年では2017年「Autophoto」Fondation Cartier pour l'art contemporain(パリ、フランス)や2018年「Another Kind of Life: Photography on the Margins」Barbican Art Gallery(ロンドン、イギリス)などの国際的なグループ展にも参加した。代表的な作品集に『FLASH UP』(1980年、白夜書房)、『フォト・キャバレー』(1982年、白夜書房)、『大亜細亜』(1990年、IPC)、『'80s FAMILY』(1991年、JICC)、『ジャパン』(1998年、新潮社)、『Quest For Eros』(1999年、新潮社)、『FLASH UP』(新装版、2013年、 禅フォトギャラリー)、『Eros Lost』(2020年、禅フォトギャラリー)などがある。2020年2月27日逝去。

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