禅フォトギャラリーは、7月3日(金)から8月1日(土)まで、倉田精二 追悼写真展「Eros Lost / Flash Up」を開催いたします。これまで写真集『Flash Up』(2013)、『AKB 80’s』(2016)の刊行と2014年には展覧会を開催した倉田精二と禅フォトギャラリーは、新たな彼のヌード作品集制作のための協議をここ数年の間重ねてきました。そしてこの『Eros Lost』完成目前の2月に惜しくも逝去した倉田精二への追悼の思いを込め、彼の代表作である『Flash Up』とこの度お披露目する新刊写真集『Eros Lost』より選りすぐりのモノクロ作品を展示いたします。『Eros Lost』には、倉田の承認のもと、オリジナルのネガアルバムから選ばれた未発表のイメージが含まれています。これまでに発表された彼の他のシリーズとは異なり、これらのイメージは照明とスクリプトの下で主に屋内で撮影されました。倉田は、機械的なインスタレーション、演劇的パフォーマンス、オブジェ、室内装飾を組み合わせて、人間のポートレートを実験的な彫刻を作るように制作しました。裸体と身体の動き、そしてそれらを突き動かすエネルギーのダイナミズムがイメージ内に描かれています。ぜひご高覧ください。
また、倉田が生前にコラボレーションを約束していたクロアチアのサウンドクリエイターPlazmatick (Marko Mihalinec)の新作アルバムを、発売に先立ち展示期間中にギャラリー内でお聴きいただけます。

マーク・ピアソンによる追悼文「倉田精二-彼の晩年についての私の思い出」

Artist Profile

倉田精二

1945年 東京・日本橋生まれ。1974年、東松照明が中心となって開講されたワークショップ写真学校の第1期生として写真を学ぶ。1976年、東京芸術大学絵画科卒業。1980年に「Flash Up ストリートフォトランダム東京 1975-79」にて第5回木村伊兵衛賞を受賞。以降、長年にわたり国内外で精力的に活動し、近年では2017年「Autophoto」Fondation Cartier pour l'art contemporain(パリ、フランス)や2018年「Another Kind of Life: Photography on the Margins」Barbican Art Gallery(ロンドン、イギリス)などの国際的なグループ展にも参加した。代表的な作品集に『FLASH UP』(1980年、白夜書房)、『フォト・キャバレー』(1982年、白夜書房)、『大亜細亜』(1990年、IPC)、『'80s FAMILY』(1991年、JICC)、『ジャパン』(1998年、新潮社)、『Quest For Eros』(1999年、新潮社)、『FLASH UP』(新装版、2013年、 禅フォトギャラリー)、『Eros Lost』(2020年、禅フォトギャラリー)などがある。2020年2月27日逝去。

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