るまん℃は、とある室内の鏡の前に佇んでいる。だが、その鏡はある種の魔鏡で、現実を映すだけでなく、写された者(すなわちるまん℃)の失った過去をも呼び覚まし、異界へと通じる道を開く。不安と恐怖、黒き欲望と歓喜、頽廃と狂気、そして死と虚無までをもその魔鏡は映し出し、増幅させる。るまん℃は彼女のからだと心に闇のごとくつき纏う記憶と運命の呪縛に対峙させられ、やがて、魔鏡から溢れいでる異界の磁場に侵食され始めてしまう。

― 相馬俊樹、写真集より抜粋

Artist Profile

Tokyo Rumando

1980年、東京生まれ。2005年より独学で写真を撮り始め、自身のポートレートを主に撮影している。
「Orphée」が2016年にロンドンのテート・モダンにて開催されたグループ展 ”Performing for the Camera”に出品され、近年もドイツのフォルクヴァンク美術館にて個展「The Story of S」(2020年)を開催するなど海外でも精力的に活動している。その他の主な個展に「Hotel Life」(2012年、Place M)、「REST 3000~ STAY 5000~」(2012年、禅フォトギャラリー)、「Orphée」(2014年、Tokyo Light Room/Place M/禅フォトギャラリー)、「I’m only happy when I’m naked」(2016年、Taka Ishii Gallery Photography Paris/2018年、IBASHO Gallery) 、「S」(2018年、禅フォトギャラリー)などがある。また、禅フォトギャラリーより写真集『REST 3000~ STAY 5000~』(2012年)、『Orphée』(2014年)、『selfpolaroids』(2017年)、『S』(2018年)を出版している。2021年の夏にはイギリスのアシュモレアン美術館で開催される「Tokyo: Art & Photography」展に出品を予定している。

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