『ヤン太郎 バカ太郎』は梁丞佑 (ヤン・スンウー) の自伝的エッセイを含む写真集。韓国で過ごした幼少期の鮮烈な思い出が綴られたエッセイを軸に、大人になった梁が世界各地を飛び回り撮影したスナップショットが配されている。

幼少期の記憶や「原風景」が、制作物に重要な役割を果たすというのはよく聞く話である。
だから、子供心を忘れるのは、作品制作をする者にとっては一大事なのだ。
すなわち、なかなか大人になれない僕は、そのままでいいと言われているわけで…。
この作品は大人になれない僕の「原風景」の話である。
― 梁丞佑

Artist Profile

梁丞佑

韓国出身。1996年に来日し、日本写真芸術専門学校と、東京工芸大学芸術学部写真学科を卒業。その後、同大学院芸術学研究科を修了し、日本を中心に活動する。2016年に禅フォトギャラリーより刊行した写真集『新宿迷子』にて、新宿・歌舞伎町の街を居場所とする人々をモノクロームスナップショットで記録し、土門拳賞を受賞。2017年には同じく禅フォトギャラリーより写真集『人』を刊行した。同年パリのinbetween galleryにて個展を開催するなど、近年は国際的にも活躍の場を広げている。その他の写真集に『君はあっちがわ 僕はこっちがわ』(2006年、新風舎)、『君はあっちがわ 僕はこっちがわ II』(2011年、禅フォトギャラリー)、『青春吉日』(2012年、禅フォトギャラリー)、『青春吉日』新装版 (2019年、禅フォトギャラリー)、『The Last Cabaret』(2020年、禅フォトギャラリー)、『ヤン太郎 バカ太郎』(2021年、禅フォトギャラリー)、『TEKIYA 的屋』(2022年、禅フォトギャラリー)、『荷物』(2023年、禅フォトギャラリー)、『辛朝鮮』(2024年、禅フォトギャラリー)などがある。

Gallery Exhibitions