New Hong Kong Photozine: 攝影 __ 學
禅フォトギャラリーは、2月15日から3月19日まで「New Hong Kong Photozine: 攝影 __ 學」展を開催いたします。
『攝影__學』は香港の写真家・周生(Chow san)により2021年1月に創刊されたフォトジン(PHOTOZINE)です。一年前の2021年1月、香港の写真家・周生は、香港のアーティストたちが制作したさまざまな写真作品を紹介したいと思い、『攝影__學』(写真__学)というタイトルでフォトジンを出版し始めました。周は、香港には様々な写真芸術や写真家が存在するにも関わらず、香港の主流メディアで紹介されているのはごくわずかであることを痛感していました。アーティストが普段インスタグラムのアカウントで発表しているように、周は彼らの作品をインターネットやソーシャルメディア上で紹介するのではなく、印刷物として発表することによって、読者が自ら手に取るかどうか、そのアーティストの作品を好きかどうか、また、作品の一つの発表形態としてフォトジンを購入し所有するかどうかを問いかけることを目的とし、誰でも購入できるような価格でフォトジンを提供しようと考えたそうです。
周がこのフォトジンを「攝影__學」と名付けたのは、実際あらゆる芸術でもそうであるように、写真作品に対する異なる視点を誰もが持っているまま紹介したいからです。「撮影」と「學」の間の空白について、哲学や美学、あるいは写真は「無学」であってもいいと周は言っています。
今回は、下記の12人のメンバーによるフォトジン「攝影 __ 學」とそれぞれのオリジナルフォトジンの展示・販売をいたします。
- Dennis Soap (b.1981/China)
- Shek Po Kwan (b.1988/Hong Kong)
- 流氓 (b.1981/Macau)
- Fion Hung Ching Yan (b.1993/Hong Kong)
- big_mic_mic
- Cehryl (b.1996/Hong Kong)
- Egg Cheung (b.1984/Hong Kong)
- chung chung cheung (b.1988/Hong Kong)
- Mark Pearson (b.1960/UK)
- Victor (b.2004/Hong Kong)
- 譚昌恒 (b.1978/Hong Kong)
- 寂寞山葵 (b.1996/Hong Kong)
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Photozine Issue No.1
Dennis Soap
1981年中国・広州生まれ。6歳の時に香港へ移住。独学により写真を覚えた彼は、幼い頃から母親がポリオを患っていたことや、幼少期を香港の古い街である深水埗で過ごしたことから、周りにある劣化された断片的なものに興味を持つようになった。放置されたイメージに感情が動かされ、不完全なものから生まれる美しさを写真で表現している。捨てられたものを拾い上げ、それらのものが秘めている歴史を想像し、再構築することにより不完全であることの美しさを引き出す。鮮やかな色彩や蛍光色を使用し、被写体とは相反するようなユーモアを意図的に表現する。人と空間と生活環境の関係性に着目している。
インスタグラム:dennissoap
Photozine Issue No.2
SHEK Po Kwan(石子)
1988年香港・亞公角生まれ。現在も香港を拠点に活動している写真家。観塘職業訓練中心で写真とデジタル映像を学び、卒業後写真とクリエイティブの分野で就職。JoinArtという写真スタジオで働いた後、Fabricaを通じて、イタリアのトレヴィーゾにあるベネトン・グループからの奨学金とレジデンス招待を受け、2年間写真研究者となり、そして1年間はFabricaでコンサルタントとして働き、視野を大きく広げることになった。石はスナップショット写真を中心に撮影している。量子物理学における観測者効果の概念や、都市におけるフラヌールの概念に大きな影響を受け、「光の粒子である光子によって、すべてが写真になり得る」と彼は考えている。2020年、写真に関する紙を売買・収集するプロジェクト「SHEKSPAPER」をスタートし、18F free spaceにてポップアップ展「Unlock the Picture Earth」を開催した。雑誌『JET』、『美紙』にてスナップ写真を連載中。2021年、香港の筲箕湾に「玉公岩(RAGORA)」というスペースを共同設立し、展覧会やアートと文化に関連するイベントを定期的に開催している。
インスタグラム:shekarino.rockyoubaby
Photozine Issue No.3
流氓(Manson)
1981年マカオ生まれの流氓は、独自の考え方と手法で撮影した写真で物語を作ることを目指している。
インスタグラム:manson_lman
Photozine Issue No.4
Fion Hung Ching Yan(フィオン・ホン・チンヤン)
1993年香港生まれ。幼少の頃より父親の影響で写真に興味を持つ。
「写真を使って自分の夢や思考を視覚化することが好きです。人々が私の潜在意識について興味を持ってくれていることに驚きました。『攝影__學』とのプロジェクトにおいて、私は自分のアイデンティティを問うことを試みました。社会の中で自分の立場はどうあるべきなのか?最終的に、私が疑問に思っていたアイデンティティはハイブリッドであり、明確な答えがないことに気づきました。」—Fion Hung Ching Yan
インスタグラム:fotolotof
Photozine Issue No.5
Instagram: big_mic_mic
インスタグラム:big_mic_mic
Photozine Issue No.6
cehryl
1996年香港生まれのcehrylは、音楽アーティストとライターの顔も持っていて、独学により写真を習得した。彼女にとって写真は常に孤独で寂しい行為だったが、こうしてコラボレーションするのは初めてで、とても楽しいことだった。
インスタグラム:cehryl
Photozine Issue No.7
Egg Cheung
1984年香港生まれのEgg Cheungは、独学により写真を習得した。
「人類がいれば浪費がある。廃墟で撮影するのは目新しいことではないが、訪れる人は皆過客であり、その予測不可能な光景に引き寄せられている。」—Egg Cheung
インスタグラム:eggcheung
Photozine Issue No.8
chung chung cheung
1988年香港生まれのchung chung cheungは、観塘職業訓練中心でデザインと写真を専攻し卒業。
「この作品シリーズは、夢の距離感をテーマにしています。夢は現実のように見えたとしても、目が覚めたとき、夢は非現実であり、非常に遠い距離があることに気づくだろう。」— chung chung cheung
インスタグラム:xchungchungx
Photozine Issue No.9
マーク・ピアソン
1961年イギリスのニューカッスル・アポン・タインに生まれたマーク・ピアソンは、過去30年の大半を香港と日本で過ごしてきた、独学で写真を学んだ写真家であり、コレクターでもある。
「これらの写真には、香港での生活に対する思いが込められている。ノスタルジーは普段は何年も経ってから生じるものだが、私はわずか1年前に香港を離れたばかりなのに、すでにノスタルジーに浸っている。近年の政治、官僚、企業の腐敗からくる非人道的な規制を考えると、おそらくもう香港に住むことはないだろうし、訪れることすらできないだろう。」 — マーク・ピアソン
インスタグラム:z3tt0n
Photozine Issue No.10
Victor
2004年香港生まれのVictorは、独学により写真を習得した。
「社会にはずっとある種の落ち着きのない情緒が隠れている。人に不安を感じさせるこういった情緒を写真で表現できればと思っています。」—Victor
インスタグラム:t_wc.ldp
Photozine Issue No.11
譚昌恒
1978年香港生まれの譚昌恒は、香港公開大学で写真を専攻し卒業。譚にとって、写真は精神的にも時間的にも、彼の人生のある種の空白を埋めるものであり、写真を通じて自分の役割の存在を感じることができるからこそ、彼は自分自身を何度も知るために写真を撮り続けている。
「Wikipediaによると、香港の竹の足場は1920年に始まった。速さと軽さと安さが特徴である。香港経済が飛躍した70から80年代、竹足場は香港の経済発展に貢献し、竹足場職人はビルのメンテナンスや解体など、危険な場所で働いてきた。近年香港政府により竹から鉄パイプへ切り替えることが進んでおり、近い将来、竹の足場は見られなくなると思う。」—譚昌恒
インスタグラム:hang_tam_photo
Photozine Issue No.12
寂寞山葵
1996年香港生まれの寂寞山葵は、ユーチューブで写真を独学した。
「1年前、ちゃんとした写真を撮ろうと思ってカメラを買ったのですが、ちゃんとしていないものがなければ、ちゃんとしたものはないと思って、またケータイでちゃんとしていない写真を撮るようになったんです。 写真を数年撮ってきた身として何が言いたいかというと、ちゃんとした写真がいいとか悪いとかじゃなくて、撮る楽しみと見る楽しみが一番大切なのだ!ということです。 一番大切なのは、みんながハッピーになることです。
これまで私は、写真集や本を出版することはとても遠い存在、興味本位の自分とは関係のないことだと感じてきましたが、ケータイで撮った写真を紙に印刷してくれる人がいたんです。実際手に触ってみたら、やろうと思えばいつでもできることがたくさんあることに気づきました。これからは、写真を撮りながら自分は何をしたいのかを常に考えるようにします!アーメン!」—寂寞山葵
インスタグラム:wabisabiwasabiiii