ジョン・サイパル「随写」
禪フォトギャラリーでは、2月9日より24日までジョン・サイパル写真展「随写」を開催いたします。昨年12月に刊行し絶賛発売中の同名写真集『随写』(3,800円税込)より選りすぐりの作品を展示いたします。
この「随写」シリーズのルーツは、もともと2010年頃に“An Endless Attraction”というタイトルの展覧会で発表したのが始まりだった。日本語で言うと「永遠の魅力」か、「永遠の誘惑」という感じ。直接過ぎるかもしれないけど、彼女と写真に対して完璧に表現できていると思った。特に「永遠」の部分。
写真は人生じゃないといけないんだ。シャッターを押しながら、愛、人生、写真、それぞれを区別できなくなってきた。でもこれでいいんだ。私が見たい写真を飽きずに撮る。
「随写」は自分で作ったことばだ。ドナルド・リッチーの『A Tractate on Japanese Aesthetics』という本で日本のエッセイである「随筆」の説明を初めて読んだ時、こんなことが書いてあった。「作家の支配的な心を後から筆がフォローするのではなく、筆が心をリードするものだ」。それで随筆の「筆」をとって、写真の「写」を勝手にくっ付けてみた。
カメラはなかなかいい筆になる。
ージョン・サイパル