orange elephant
夜でなく日の光で見た方が、逆によく「orange elephant」の世界に入ってゆけるように思うのです。
説明がないだけに、そして何が写っているかが、おぼろげなだけにかえって、詩情がひろがってゆきます。
わたしがちゃんと受けとめられたかどうかわかりませんが、ページをめくりながら長い叙情詩を味わっているようでした。
ある意味、非常に極端な写真ですが、すべての写真の中に殿村さんの息をつめた呼吸を感じました。
─ 神蔵美子
『母恋 ハハ・ラブ』(赤々舎刊 2008)、『ゼィコードゥミーユカリ』(zen foto gallery刊 2013)以来、 3冊目となる写真集。
今作「orange elephant」は、殿村の真骨頂であり、彼女の写真でしか見あたらない生理的な生色に溢れています。
流動する光の痕跡は瞬き、美しさを乞う。色は夜を越え、交じわる事により、朝の存在を彷彿とさせる。 あえて省かれた写真の"間"に彼女の切実な願いと希望を見る。
不確かな
夜の始まり
と
夜の終わり
死を待つオレンジ
真実は
肉片
写真は300年先で待っている
─ 殿村任香
殿村は、蝶が孵化した瞬間の濡れた羽である。 私達は、薄まって行く元来の写真の世界を、彼女の中に強く生きている事を確信することでしょう。 彼女の美しき光をどうぞご覧下さい。
― 出版社説明文より
$34.62
税込- 判型
- 265 x 181 mm
- 頁数
- 72頁、掲載写真44点
- 製本
- ハードカバー
- 発行日
- 2015
- エディション
- 700