私の絵の中にはたくさんの「ひと」が登場します。彼らは、無表情で無感情。人であるかどうかも危ういくらいな存在です。 私は、「ひと」を、花や虫や貝と同等の存在として、描いています。人間の感情は複雑で、人間として生きていると、日々色々なドラマが生まれますが、そういった人間的な感情やドラマを排除したのが、私の描く「ひと」です。人間のどろどろした部分を排除することで、あっけらかんとします。「ひと」が苦しみ、祈り、喜び、踊るところを私は描きます。時には、死後の世界のようなイメージで、生まれ変わりをテーマに描きますが、深刻さはありません。人生にのしかかる重たさを、「ひと」を虫や微生物、草や石ころみたいにとらえることによって、軽さに換えていけたらと思っています。また、誰もが持っている遠いタマシイの記憶に訴えるような、懐かしい気持ちになるような絵を目指しています。

ー浜口麻里奈

浜口 麻里奈
Marina Hamaguchi

1988年横浜に生まれ。2011年多摩美術大学絵画学科油画専攻卒。同年4月ドイツに渡る。
2011年10月より、デュッセルドルフ芸術大学Prof. Brandlに師事。

個展・グループ展
2008 初個展「変容するタマシイの物語」銀座ギャラリーゴトウ
2009 六本木アルファ企画展 六本木 Shonandai My Gallery
2010 第9回 三菱アートゲートプログラム入選(作品買取)
2011 第10回 三菱アートゲートプログラム入選(作品買取)
2011 5美術大学卒業制作展(国立新美術館)