日常を生きることの中で出会う様々な喜びや悲しみ、困難さ、そして不思議とどんな時にも生まれる可笑しみなどの悲喜交々が、光が透き通るほど薄く繊細な紙に浮かび上がる色濃く鮮やかなイメージの数々を通して、殿村任香流「愛の劇場」とも言えるラブストーリーに仕立てられている。

"焦がれ死に die of love"

愛は形を持たない

もし形があるなら

それが最後に写真であればいい

たかが紙

笑えばいいのです

生きていること自体滑稽なのですから

― 嗚呼、悲喜劇や―

― 殿村任香

判型
182 × 257 mm
頁数
116頁、掲載作品86点
製本
ソフトカバー
発行年
2018
言語
英語、日本語
エディション
700

Artist Profile

殿村任香

1979年生まれ。大阪ビジュアルアーツ放送・映画学科卒業後、2002年より写真を撮り始める。2008年、自身の家族の日常を赤裸々に撮った「母恋 ハハ・ラブ」を赤々舎より出版。鮮烈にデビューし、世間に重い衝撃を与えた。2013年には、新宿歌舞伎町でホステスとして夜の人々と生きながら撮った「ゼィコードゥミーユカリ」をZen Foto Galleryより出版し発表した。近年の著作に「orange elephant」(2015年、Zen Foto Gallery)、「cheki」(2018年、Morel Books)、「焦がれ死に die of love」(2018年、Zen Foto Gallery)、「SHINING WOMAN #cancerbeauty」(2020年、Zen Foto Gallery)、「母恋 ハハ・ラブ」新装版 (2021年、Zen Foto Gallery)、「Toxic」(2022年、Zen Foto Gallery)、「ゼィコードゥミーユカリ」新装版(2023年、Zen Foto Gallery)がある。

また、国内のみならず海外での活躍も目覚ましく、2016年には香港のBlindspot Galleryにて開催された「Shikijo: Eroticism in Japanese Photography」展、2018年5月にはロンドンのDaiwa Foundation Japan House Galleryにて開催されたグループ展などに参加し、2019年には、がんと闘い向き合う女性のポートレートプロジェクト「SHINING WOMAN PROJECT」を立ち上げた。2022年、パリのヨーロッパ写真美術館のグループ展「Love Songs」に出品した「母恋 ハハ・ラブ」が同館のコレクションとして収蔵された。また、同年のKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭において開催された10人の女性写真家によるプログラム「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」や2024年のアルル国際写真祭アソシエイトプログラムにおいて開催された「TRANSCENDENCE」にも作品を出品している。

Gallery Exhibitions