Zen Foto Galleryは、9月29日から10月21日まで、ローニン・デ・フーデ 写真展『ASAKUSA − Ode to Edo』を開催致します。『ASAKUSA』はオランダ出身のローニン・デ・フーデが浅草の彫師の師匠、彫和氏の元で過ごした貴重な日々を視覚化した日記です。オランダで日本の刺青に出会ったローニンは、「和彫」に非常に強い印象を受け、以来それに魅了されました。2011年に日本を訪れた時、有名な刺青師である初代彫和の門を叩きましたが、病床にいた彫和氏に会うことは叶わず、かわりに彼の後継の彫和若と親交を深め、2016年の来日以降は刺青を彫る現場で仕事を手伝いながら撮影しました。今回は2020年に刊行した写真集『ASAKUSA』から展覧会のためにセレクトした作品と、写真集刊行後に撮影した新作を発表いたします。

刺青には、刺青を入れるという行為と刺青の文様の両方に霊的な意味があります。伝統的な日本の和彫の特徴的な技術の一つである手彫には、その特性やそれを「着る」人の体格による作品全体のバランスがあります。和彫は文化と「着る」人の個性の両方を同時に反映する固有の芸術であると言えます。
2023年8月 ローニン・デ・フーデ

Artist Profile

ローニン・デ・フーデ

RONIN(1978、オランダ)は、日常と儚さの両方から刺激を受けている。物事の微妙な違いを見極める能力は、彼に光と影、質感、形、表現に着目させ、ハーグの王立アカデミーでのグラフィックデザイン、ファインアート、絵画の研究に活かされている。彼が選んだカメラは、コダックTRI-X400が搭載された黒のライカMPであり、それは彼と友達が「大西洋の壁」と呼ばれる遺跡から拾い集めた戦争記念品のコレクションと交換に受け取ったものだった。「大西洋の壁」は1942年から1944年にかけて大陸ヨーロッパとスカンジナビアの海岸沿いにナチス・ドイツによって構築された海岸防衛線である。デジタル写真とその出力作業をせず、彼は独特の手焼きの銀塩プリントを、ハーグに近い森林に囲まれた暗室で作っている。木陰の下だろうと、強烈な日差しが浅草の路地に作る影の交差点の上だろうと、ローニンは下駄や着物、時には両方とも簡単に身につけている。

Publications & Prints

ASAKUSA

ローニン・デ・フーデ