張玉明(チャン・ユミン)に初めて会った日に、古代の石塔を写した彼の写真の展覧会を開催しようと決めた。

彼の写真と石塔イメージの保護に対する少年のような熱意に魅かれただけでなく、神秘的な石塔そのものにも興味を持った。石塔は美しく、陰鬱で、悲しげで喜ばしい。張玉明は中国各地の幾千もの仏教石塔を撮影している。いずれの写真も彼の人生の旅の一歩を示している。張玉明は石塔の写真を撮る前にその塔の前で頭を垂れ敬虔に祈りを捧げる。全ての石塔の記録を残すのは生涯にわたる巡礼のようなものだろうか。

夢の実現に忠実な彼に感銘を受ける。情熱的な人だ。あるとき中国の郵便 事情のトラブルにより私達の間に不幸な誤解が生じた。私は中国語を話せず、張玉明は英語を話せないので、彼は自分の15歳の英語を話せる娘に誤解 を解くために私と話しをするよう求めた。彼女は夢を追うために安徽省を離れ北京に行った敬愛する父親がいなくて寂しいはずだが、彼がその道を歩まなければ いけないことを理解している。

石塔は何千年にもわたり屹立していて、その佇まいは時間を超越してい る。いずれの石塔も幾万もの巡礼者が目の前で祈りに頭を垂れるのを見てきた。しかし石塔にも命がある。石塔も老い、朽ちる。雨風に蝕まれ、時として貪欲な 人間によって傷つけられる。石塔は私達の最古の友人なのだ。チャン・ユミンのおかげで石塔は記憶され、称賛され、尊敬されるだろう。

ー マーク・ピアソン(禅フォトギャラリー)

Artist Profile

張玉明

1967 中国安徽生まれ
1990 大学で絵画と彫刻を学び、卒業
1990-2007 中学校教師として勤務
2008-2010 中国芸術研究院・写真学科修士

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