「舞人木花咲耶姫」は1979年~81年にかけて撮影した作品です。木花咲耶姫との出会いは79年秋の井の頭公園(東京・吉祥寺)だった。毎週土曜日に人けの少ない木立の中で、艶やか着物をまとい、白い面のような化粧をして、黒髪を乱し踊っていた。
踊りに型があるわけではない。身を捨て、心を捨てて入魂した巫女になっていた。彼女の踊る姿は、見る者を異次元の世界に誘いこんだ。
80年、神楽の原点を求め、二人の子供を連れて全国行脚の旅に出る。そして各地の神社や祭りで舞を奉納した。
春の富士吉田浅間神社、初夏の諏訪大社御柱祭、真夏の京都大原、奈良天理、彼岸花の奈良葛城・風の森、雪の穂高神社とそれぞれの季節の中に舞が一体となって思い出されます。

― 西村多美子

Artist Profile

西村多美子

1948年東京生まれ。1969年東京写真専門学院(現東京ビジュアルアーツ)卒業。主な出版物に『しきしま』(東京写真専門学院出版局、1973)、『熱い風』(蒼穹舎、2005)、『実存1968-69状況劇場』(グラフィカ編集室、2011)、『憧景』(グラフィカ編集室、2012)、『しきしま 復刻新装版』(禅フォトギャラリー、2014)『猫が・・・』(禅フォトギャラリー、2015)、『舞人木花咲耶姫 — 子連れ旅日記』(禅フォトギャラリー、2016)、『旅人』(禅フォトギャラリー、2018)等。香港M+美術館に作品が収蔵されている。

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