薄井一議「Showa96」
禅フォトギャラリーは、3月8日(金)から30日(土)まで、薄井一議写真展「Showa96」を開催いたします。2011年の「Showa88/昭和88年」、2015年の「Showa92」に続く約4年ぶりとなる本展では、Showa3部作の完結編となる新作カラー作品を発表します。
“昭和”が付くからと言って、別だんノスタルジーを追い求めている訳では全くない。
僕は、この言葉を“生き抜く力”の象徴と考える。昭和がまだ別の時空で続いていたらどんな世界か、
そんなファンタジーを追い求め、平成の終わりに第三弾が完成した。
僕は人間が生き抜くが故に生まれる矛盾やほつれ、その如何わしさに美学を感じる。
自分の信念を貫き、時にはミスフィッツとされながらも生き抜く人々。
嗅覚を頼りに、時にはその本人を撮影し、時にはその場所から感じ取りストーリーを構築させる。
この行為は何不自由なく食べて行ける 平に成り立ったこの世の中で、先人に感謝を感じながらも、
どこか満たされない僕自身の矛盾した精神の穴埋め行為なのかもしれない。
時代への服従なのか、勝手に自分が作り上げたモノへの服従なのか。一つ確かなことは、今年平成が終わる。
でも昭和はまだ終わらない。
ー薄井一議