劉珂&晃晃 写真展「鏡子 Mirror」
禅フォトギャラリーは、5月24日から6月15日まで劉珂&晃晃写真展「鏡子 Mirror」を開催いたします。中国・成都を中心に活動するアーティスト・デュオの劉珂&晃晃は、二人の関係性を見つめ直すため2017年からこの「鏡子 Mirror」の制作を開始し、互いの写真を2年間毎日撮影しました。同じ日に撮影された互いの写真を一対の作品として730組からなるこのシリーズは、2019年にThree Shadows Photography Awardを受賞し、2022年に禅フォトギャラリーより写真集が刊行されました。劉珂&晃晃としては日本で初となる今回の展示は、写真集より25組の選りすぐりの写真作品と映像を展示いたします。また、作家が来日し5月25日16時よりトークイベントを開催いたします。
私たちはアーティストのカップルとして、その人生と創作活動は20年以上絡み合っている。
2003年に出会って以来、アートに対する共通の情熱が私たちの間の最も重要なエネルギー源となってきた。出会いからしばらくして私たちは三峡に行き、夢と現実が交差するように何度も歩いた。まるで自分自身に出会ったかのように、思いがけず大きな川を流れる水と人々に出会った。 3年後、『平湖』という作品が完成し、私たちにも子供が生まれた。さらにその後、成都の郊外に移り、そこで子供たちと遊び、一緒に何かを作り成長していったが、あっという間に6年が経ち、時間が経つにつれてお互いの熱情と感性も消えていった。2017年から私たちは毎日お互いの写真を撮り、もう一度結果を顧みずに何かをすることによって関係を見つめ直すために、その過程を検証しながら待ちたいと考えた。この制作は2年間続いた。この間、私たちは毎日お互いのことを鏡として見ていた。730日で撮った1,460枚の写真はお互いの人生に永遠に残るものだ。
疫病の霞の中でもアートは依然として私たちの唯一の出口であり、私たちの新しいパフォーマンス映像の創作では、別の可能性の存在である「すばらしい新世界」を想像し作り上げた。共同制作を利用して時間の経過と現実の虚無に抵抗し、自分自身、お互い、そして万物との関係におけるより多くの可能性を探求し、共同創造を用いて知覚の扉を開き、万物の神聖さと無限性を個人の視点だけでなく二人の視点によって認識し体験しながら、永遠の存在を探している。
アーティストデュオとして、私たちはそれぞれ個人として対話に参加し、従来の固定的な性役割とアイデンティティの違いを超越し、バランスの取れた状態を確立し、人間の内なる共通性を追求し、人間本来の本性に回帰し、より崇高な精神世界を築こうと努めている。 これにより鑑賞者が自分自身、他者、そして世界についての思考を呼び起こし、物質的な世界を超え、より長期にわたる関心を高めていきたいと考えている。
—劉珂&晃晃