殿村任香 写真展「SHINING WOMAN #cancerbeauty」
禅フォトギャラリーは、10月23日(金)から11月21日(土)まで殿村任香写真展「SHINING WOMAN #cancerbeauty」を開催いたします。2018年に開催した個展「焦がれ死に die of love」に続き4回目となる今回の殿村の個展では、がんと闘い向き合う女性のポートレート「SHINING WOMAN #cancerbeauty」を発表いたします。自身が子宮頸がんを患ったことをきっかけに出会った、がんを抱えながら輝き続ける女性たちに感銘を受け、2019年夏より女性たちのポートレートプロジェクトを開始しました。この展覧会に合わせて禅フォトギャラリーより刊行する、「命のポートレート」「生のポートレート」「魂のポートレート」の3部構成で制作された写真集『SHINING WOMAN #cancerbeauty』と、未収録の作品合わせて約40点で会場を構成いたします。ぜひご高覧ください。
「生きるために、撮る」から、「撮るために、生きる」に、変わりました。
何も抱えていない人などいません。
人は皆、人生のサバイバーなのではないでしょうか。
命のポートレート/生のポートレート/魂のポートレートが、
あなたの目に触れ、心に触れられる事を願います。私の今日は、明日のあなた。
明日のあなたは、誰かの今日。"SHINING WOMAN #cancerbeauty"
女性にとって、子宮、乳房、卵巣、髪を失う事は深い深い悲しみです。
絶望と発狂。
出産を夢みる若い女性。
不妊治療をしている女性。がんになり、子宮、卵巣、乳房を失うと同時に、自分の子どもを産むという夢までをも失う。
女性のシンボルを失う恐怖と向き合う事は、女性性の死を予感させる。
その恐怖を受け入れる事との、地獄の対話。
それでも女性達は、口紅をひき、素敵なお洋服を身に纏い、ウィッグを着用し、戦場である、外界に出ていく。
言葉の暴力と偏見。
無意識とは本当に恐ろしいもの。
卑劣な言葉に対し、人を憎んでしまう事への失望。
でも、私も同様に卑劣な言葉を無意識に使っているかもしれない。
同じ女性として、自分にも起こりうる事。
そして、男性も大切な人に起こりうる事。女性のがんだけでなく、がん患者に対する概念を変えたい。
女性達が生きやすくなる世の中になって欲しい。
変わらぬ大切な日常として、外界に出れるよう。
乳房、子宮、卵巣、髪を失っても言葉の暴力に合わぬよう。
女性性は臓器によって、決められるものではない。
全ては生きる事を選択した証。
女性はいつだって、どんな絶望でも受け入れ、美しくいる事の強さがある。
輝くという本当の意味を知っている。
命と闘える力がある。
子供の成長を見届ける事が夢だという女性。
大人になって恋愛する事が夢だという女性。Life is beautiful.
Anytime,
Anywhere,
Any case.
命の芯はいつだって美しい。
女性達は輝いている。
-Hideka Tonomura
殿村任香