1948年東京生まれ、1969年東京写真専門学校(現東京ビジュアルアーツ)卒業。在学中に唐十郎率いるアングラ劇団「状況劇場」の舞台に通い、麿赤児や四谷シモンなどを撮影し、復帰前の沖縄へ初めての一人旅へ出る。卒業後、森山大道、多木浩二、中平卓馬というプロヴォーク運動で大きな影響力を持った3人と出会い、1970年まで暗室で彼らの制作を手伝う。1973年にそれまで北海道、東北、北陸、関東、関西、中国地方を旅して撮影したものをファースト写真集「しきしま」(東京写真専門学校出版局)として刊行する。

バイトや雑誌の仕事で旅費を貯め、1970年から80年代にかけて日本各地を旅し、また娘を連れて東京なども歩いて撮影している。1990年代以降は近代化画一化された日本を飛び出して、ヨーロッパ、南米、東南アジアなど海外を撮影した。

西村は写真を撮り始めた68年頃から現在に至るまで、半世紀を超える作家活動歴の間、一貫してフィルムで撮影し、自ら暗室でプリントを制作するという姿勢を変えていない。西村の写真は、詩的でスピリチュアル、そして深く個人的なものである。西村は自身のキャリアを振り返り、「旅の連続」と表現し、遊牧民のような人生観で写真を撮り続けてきた。旅が秘めているものを明らかにする彼女の写真は、旅先で出会う人生の多様な肖像である。

主な出版物に『しきしま』(東京写真専門学校出版局、1973)、『熱い風』(蒼穹舎、2005)、『実存1968-69状況劇場』(グラフィカ編集室、2011)、『憧景』(グラフィカ編集室、2012)、『しきしま 復刻新装版』(禅フォトギャラリー、2014)『猫が・・・』(禅フォトギャラリー、2015)、『舞人木花咲耶姫 — 子連れ旅日記』(禅フォトギャラリー、2016)、『旅人』(禅フォトギャラリー、2018)、『旅記』(禅フォトギャラリー、2019)、『続 (My Journey II. 1968-1989)』(禅フォトギャラリー、2020)等。香港M+美術館に作品が収蔵されている。

主な出版物

1973年 『しきしま』東京写真専門学校出版局
2005年 『熱い風』蒼穹舎
2005年 『福島泰樹短歌絶叫』鳥影社
2011年 『実存1968-69状況劇場』グラフィカ編集室
2012年 『憧景』グラフィカ編集室
2014年 『しきしま』(復刻新装版)禅フォトギャラリー
2015年 『猫が・・・』禅フォトギャラリー
2016年 『舞人木花咲耶姫』禅フォトギャラリー
2018年 『旅人』禅フォトギャラリー
2019年 『旅記』禅フォトギャラリー
2020年 『続 (My Journey II. 1968-1989)』禅フォトギャラリー
2022年 『あれから (My Journey III. 1993-2022)』禅フォトギャラリー

主な個展

1975年 「港町」東京写真専門学校ギャラリー(御茶ノ水、東京)
1980年 「町 東京編」銀座ニコンサロン(銀座、東京)
1981年 「町 北国編」新宿ニコンサロン(新宿、東京)
1982年 「舞人木花咲耶姫」小西六ギャラリー(日本橋、東京)
1983年 「音楽 指揮者大友直人」ミノルタフォトスペース(新宿、東京)
1998年 「しきしま」タカ・イシイギャラリー(大塚、東京)
2000年 「惝景」スタジオエビス(恵比寿、東京)
2001年 「Vent calmoso~熱い風~」東京写真文化館(赤坂、東京)
2004年 「短歌絶叫 福島泰樹」PlaceM(新宿、東京)
2006年 「西村多美子写真展」I-Gong Gallery(テジョン市、韓国)
2005年 「熱い風」PLACE M(新宿、東京)
2009年 「しきしま」ギャラリー蒼穹舎(新宿、東京)
2009年 「しきしま」Flying Books Gallery(渋谷、東京)
2012年 「憧景」ビリケンギャラリー(青山、東京)
2014年 「しきしま」禅フォトギャラリー(六本木、東京)
2014年 「憧景」ときの忘れもの(青山、東京)
2015年 「猫が…」禅フォトギャラリー(六本木、東京)
2015年 「実存」ときの忘れもの(青山、東京)
2015年 「Shikishima」Mind’s Eye-Galerie Adrian Bondy (パリ、フランス)
2016年 「舞人木花咲耶姫」禅フォトギャラリー(六本木、東京)
2018年 「旅人 (Ryojin)」禅フォトギャラリー(六本木、東京)
2018年 「My Journey」Le Plac'Art Photo (パリ、フランス)
2020年 「続旅人」禅フォトギャラリー(六本木、東京)
2022年 「あれから」禅フォトギャラリー(六本木、東京)

主なグループ展

1976年 「百花缭乱」シミズ画廊(荻窪、東京)
2004年 「2004 日韓作家 16人展 相生と瞑想」I-Gong Gallery(テジョン市、韓国)
2005年 「2005 日韓作家 15人展 相生と瞑想」アーチストスペース(銀座、東京)
2005年 「2005 日韓作家12人展 相生と瞑想」I-Gong Gallery(テジョン市、韓国)
2006年 「2006 日韓作家 8人展 相生と瞑想」I-Gong Gallery (テジョン市、韓国)
2010年 「Contemplation」Gallery artsagan (ソウル市、韓国)
2010年 「二人展:西村多美子『実存』、松井正子『Os Lusiadas』」
     熊谷守一美術館ギャラリー(東京)
2012年 「亜細亜現代美術SMART展」(光州市、韓国)
2015年 「in)(between record vol.20-the back)(room prints “Takara Bune”」
     in)( between Gallery (パリ)
2016年 「Paysages / Landscapes(風景)」Mind’s Eye-Galerie Adrian Bondy
     (パリ、フランス)
2017年 「i am an ‘object’」禅フォトギャラリー(六本木、東京)
2019年 「The Gaze of Things Japanese Photography in the Context of Provoke」
     Bombas Gens Centre d’Art (バレンシア、スペイン)
2021年 「信任&迷惑 trust & confusion」大館當代美術館(香港)

収蔵

The West Kowloon Cultural District Authority- M+(香港)

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