禪フォトギャラリーでは2017年3月10日から4月4日まで、西村多美子、安楽寺えみ、殿村任香、Tokyo Rumando、萬一一、鄭婷による写真展「i am an ‘object’」を開催いたします。本展では、多様な意味を持つ『object』をキーワードとして、異なる社会・文化背景を持つ6名の写真家による作品を紹介し、それぞれの作家の視点を通して、みる者と『object』の関係を探求します。

『object』という言葉には、文脈により異なる様々な意味が内包されています。一般的に、「対象」または「目的」として理解されていますが、同時に、「認識されるもの」、「想像されるもの」、そして「観察されるもの」としても意味しています。文法上では、「行動を受け取る側」として名詞の役割と、「意見の相違を唱えるもの」として動詞の役割を担っています。写真のなかでは、『object』は「被写体」または「物体」として捉えられ、主体またはみる者との分かち得ない相関性を私たちに気づかせるものです。

本展では、主観的な視点で主題を撮る作品、自己探求の過程をとおして自身を客観する作品、観察により対象の像を写し出す作品、身近な被写体を撮ることで現実に対峙した作品、写真家自身が被写体であり主体でもある作品、物体を組み合わせて主題のイメージを創り出す作品などを紹介します。それぞれの見方をとおして、各作品の中の『object』に含まれている意味とその文脈、または、みる者にどのように受け取られるのかを探求します。

Artist Profile

西村多美子

1948年東京生まれ。1969年東京写真専門学院(現東京ビジュアルアーツ)卒業。主な出版物に『しきしま』(東京写真専門学院出版局、1973)、『熱い風』(蒼穹舎、2005)、『実存1968-69状況劇場』(グラフィカ編集室、2011)、『憧景』(グラフィカ編集室、2012)、『しきしま 復刻新装版』(禅フォトギャラリー、2014)『猫が・・・』(禅フォトギャラリー、2015)、『舞人木花咲耶姫 — 子連れ旅日記』(禅フォトギャラリー、2016)、『旅人』(禅フォトギャラリー、2018)等。香港M+美術館に作品が収蔵されている。

Tokyo Rumando

1980年、東京生まれ。2005年より独学で写真を撮り始める。自身のポートレートを主に撮影している。前作「Orphée」は2016年にロンドンのテート・モダンにて開催されたグループ展 ”Performing for the Camera”に出品された。主な個展に、「Hotel Life」(2012年、Place M)、「REST 3000~ STAY 5000~」(2012年、Zen Foto Gallery)、「Orphée」(2014年、TokyoLightroom、Place M、Zen Foto Gallery)、「I’m only happy when I’m naked」(2016年、Taka Ishii Gallery Photography Paris、2018年、Ibasho Gallery) などがある。また、Zen Foto Galleryより写真集『REST 3000~ STAY 5000~』(2012年)、『Orphée』(2014年)、『selfpolaroids』(2017年)を出版している。

殿村任香

1979年生まれ。大阪ビジュアルアーツ放送・映像学科卒業後、2002年より写真を撮り始める。2008年、自身の家族の日常を赤裸々に撮った「母恋 ハハ・ラブ」を赤々舎より出版。鮮烈にデビューし、世間に重い衝撃を与えた。2013年には、新宿歌舞伎町でホステスとして夜の人々と生きながら撮った「ゼィコードゥミーユカリ」をZen Foto Galleryより出版し発表した。近年の著作に「orange elephant」(2015年、Zen Foto Gallery)と「cheki」(2018年、Morel Books)がある。また、国内のみならず海外での活躍も目覚ましく、2016年には香港のBlindspot Galleryにて開催された「Shikijo: eroticism in Japanese photography」展、2018年5月にはロンドンのDaiwa Foundation Japan House Galleryにて開催された「Double Method」展などに参加している。

Publications & Prints

S

Tokyo Rumando

新刊

旅記

西村多美子